開戦から8年9ヶ月に及んだイラク戦争は、駐留米軍が15日、バグダッドで部隊解散式を行ない終結することになった。
長い長い無益な戦争であった。多くの優れた若者も女性も子供も亡くなった。
戦争を開始するのは簡単であっても、それを終結に導くにはどれほどの努力がいることか。
数百年前のように、敵対する大統領や指導者を殺戮するだけでは終われないのである。
ましてや敵国を侵略して、属国にすることもままならない。
世界の衆目の中、自国の正当性を主張しつつ、侵略国の平穏と後継政権の安定化を推進するためには、計り知れない戦費と4500人近い米国兵の犠牲者が必要だったのである。
もちろん、イラク人死傷者はその数十倍に上る。
使用された兵器の放射能汚染の影響も数十年は残るだろう。
一国の指導者が、自己利益のために、まちがった指針を示したとき、これを諌める善い方法はないものだろうか?
オバマ大統領は、「開戦が正しかったかどうかは、歴史が評価するだろう」と答えるにとどまり、愚かな戦争であったことを否定しなかった。