12月20日(月)、高知プリンスホテルにおいて、
15時から、定例幹事会、16時から、「エコ排出権取引の講演会」、
17時30分から、委員会活動報告会、その後、忘年会を開催しました。
幹事会出席者
講演会:
『高知県の森林資源を活用した排出権取引について』
高知県林業振興・環境部 環境共生課 課長補佐 内村直也氏
(パワーポイント使用により、下記内容他をもっと解りやすく解説)
2008年11月、環境省において、温室効果ガス削減のために『オフセット・クレジット(J-VER)制度』が創設されました。
(注:Japan - Verified Emission Reduction の略で、ジェイ・バーと読みます)
これにより、森林保護育成のため、間伐施業を実施した場所においては、一定の要件を満たすものを検証し、その森林が吸収するCO2容量を環境省が認証して「クレジット化」することができるようになりました。
(つまり、森林面積84%である高知県の利点を活かすことができます)
なお、J-VER制度の第一号は、高知県の削減プロジェクトの検証を実施し、2009年3月に、「899t-CO2のJ-VER」が日本で初めて発行されました。
そして、このクレジットは、株式会社ルミネにより、社員の通勤時のCO2排出をカーボン・オフセットするために購入されました。
また、森林吸収活動プロジェクトの第一号は、住友林業株式会社の社有林管理プロジェクトに関するCO2吸収量の検証を実施し、2010年1月に「2,083t-CO2のJ-VER」が発行されました。
また、この制度に準拠した都道府県の制度として、「高知県J-VER制度」が平成2010年2月に認証登録されました。
そこで、高知県では、県内の森林吸収プロジェクトを対象に案件の募集を開始するとともに、企業にJ-VER削減クレジットの販売活用を推進しています。
つまり、現在、三種類のオフセット・クレジットがあります。
1.環境省 CO2削減クレジット
2.環境省 CO2吸収クレジット
3.高知県 J-VER CO2吸収クレジット
これまで、京都メカニズムにより、海外の発展途上国とのCO2排出権取引により購入していたクレジットだけでなく、国内の森林整備事業により生まれたクレジットを利用することができるようになった訳です。
インドやブラジルの緑地を守ることも地球規模では大切ですが、日本国内の森林整備事業に、企業・消費者が眼を向け、何らかの協力できる仕組みが完成しつつあると考えれば素晴らしいことだと思います。
CO2の販売価格は、国内でもまだばらつきがありますが、1t-CO2 あたり15,000〜30,000円のようです。
森林整備費用については、国から51%、高知県から17%の補助金が出ています。
しかし、残りの32%の自己負担が大変で整備が進まないなど、まだまだ問題があるとのことでした。
環境省の報道発表資料ページへ
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10418
オフセット・クレジット(J-VER)の購入希望者様へ
http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/030701/j-ver.html