Sunday, January 24, 2010

高知エコ基金設立記念講演会(2)


山本良一先生の講演内容の一部をご紹介します。


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「温暖化地獄回避のための社会の大転換」
2℃ POINT OF NO RETURN

コペンハーゲンで開催されたCOP15は惨めな失敗に終わった。
数値目標が示されない不満足な結果になってしまった。
唯一、鳩山由紀夫首相(東京大学工学部の同級)の「25%削減」は評価できる。
しかし、なべてにおいて、政治家はあてにならない(信用できない)。
IPPCでは、何度も警告を発している。

温室効果ガス削減で、地球の気温上昇を2度以内に抑える必要がある。
そのためには企業だけでなく、私達も環境税他あらゆる努力、協力が必要。

2℃以内に抑えきれない最悪のシナリオ、
最短のポイント・オブ・ノーリターンは2014年

たとえば、
検討されたシナリオ(WWF,Karl Mallon, Mark Hughes, Sean Kidney)
(1)2050年までに1990年比で、世界の炭酸ガス排出量を63%削減
  すべてのキーとなる「低炭素資源及び産業」は、年率22〜26%で、
  2014年までに最大速度で成長させ、2050年に必要な削減が
  達成できるようにさせる。
  付加的コストは67兆ドル、年投資額のピーク値は3750億ドル。

(2)2050年までに1990年比で、世界の炭酸ガス排出量を80%削減
  このシナリオでは、2℃以下に気温上昇を抑制できる十分な確立があるが、
  成長率は年24〜29%で直ちに成長させる必要がある。
  付加的コストは70兆ドル、年投資額のピーク値は4000億ドル。


地球の表面温度は、産業革命前と比較してすでに0.8℃上昇している。
2℃を突破すれば、夏の北極海氷が融解する臨界点(ティッピングポイント)を
越えてしまい、その結果あらゆる温暖化が加速し、人類は気候変動を制御できな
くなる(ランナウエー)と考えられている。

つまり、気温上昇を2℃以下に抑制できないなら、気候シミュレーションによって、
炭酸ガスの累積排出量が1兆2,000億トンに達した時、
すなわち2032年5月12日が、ポイント・オブ・ノーリターンとも言われている。

石炭、石油を止めないとバイオマスには行かない。低炭素経済への移行が不可欠。

以下省略
(関連内容:http://www.ibarakiken.or.jp/kikanshi/201001/20100102.pdf

1946年生まれの山本先生は、大学時代、東京大学工学部で鳩山由紀夫首相とも
1年、2年と同学年であったとのこと。