Thursday, February 14, 2013

第12回 高知エコ産業大賞 講評

第12回高知エコ産業大賞 講評(改)

2013年2月14日
高知工科大学システム工学群教授 筒井康賢

大賞
株式会社 技研製作所
「鋼管杭回転切削圧入機 ジャイロパイラー」

先端にビットと呼ばれる刃物を溶接した鋼管杭を回転させながら地中に打ち込む圧入機であり、鋼管杭自体が工作機械のエンドミルのような役割をし、既設のコンクリート構造物や硬質の地盤にも容易に圧入することができる機械である。
この構造によって、静かにかつ強力な圧入できることは当然のことながら、作り上げた構造体が不要になれば逆の行程で鋼管杭を引き抜くことができ、さらには引き抜いた鋼管杭を再利用できる「エコ」な機械であることを高く評価した。


優秀賞
ばうむ合同会社
「高知の森をまるごと売り出す総合商社 ばうむ」

ばうむ合同会社は、森林率が89%にもなる嶺北地域から
・地域の中にある、まだ十分活用されていない資源を世に出していくこと。
・このことによって、地域に雇用と所得を生み出していくこと。
・本山町という自然豊かな環境から、都市に住む人たちに安らぎをとどけること
という目標を、たとえば、地元の木材を使った木工製品等の製造販売などから実現しようとしていることを評価した。


技術賞 該当なし


アイデア賞
オーシャン四国
「海癒」

海愈は、「高知らしさ」に共振し、ともに感動して貰うことを目的に土佐清水の大岐の浜にある温泉施設とコンドミニアムを運営している。温泉は薪で沸かすことにこだわり、コンドミニアムは、天然素材にこだわって改装している。
また、素顔、素足、すまい、素もぐり、sustainableと「素」に戻れる場所を目指すという究極のエコツーリズムを評価した。


特別賞
株式会社 高知丸高
「手巻きゴンドラ」

大地震発生時の津波襲来から逃げるには、急いで近くの高台や津波避難施設へ避難しなければならない。しかし、これまでの津波避難施設には階段しかなく、高齢者や身体が不自由な人々にとって、階段を駆け上がることは、時間的にも体力的にも非常に苦しくなる。
さらにエレベータは大地震の後に必ず起こる停電のために使えなくなる。この手巻き式ゴンドラは、車椅子でも乗ることができ、たとえ停電が発生しても多くの人々を助けることができることを評価した。


特別賞(未来賞)
がんばれ高知工業高校応援隊
筆山の保全活動

がんばれ高知工業高校応援隊は、筆山公園の除草と清掃をこれまで代々の生徒が引き継いで行ってきた。筆山公園は、南海地震時には、麓の人たちの一時避難場所にも高知市から指定されており、日頃の除草により避難路が確保されるという効果もある。
これらの活動を、確実に後輩たちに引き継いで、明るい未来に向って行って欲しいという期待を込めて特別賞(未来賞)を与えることにした。